さく: てづか みかこ
さしえ: あうこ
とある島で、こんな現象が起きていた。
この島では、普段滅多にねずみを見かけない。
でも何故か、写真を撮ると、その殆どにねずみが写っているのだ。
しかも、なにか探すような、期待しているような雰囲気で。
これは、とても不思議な問題だった。
そして、一年後の事だった。
細胞を解析する装置がこの島に導入された。
島の科学者達は、島のねずみの細胞を解析した。
さらに、他の国のねずみと比べて見た。
すると、こんな事がわかった。
この島のねずみは、他国のねずみと比べても、チーズに敏感で、チーズと聞けば何処へでも行く。
しかし、チーズの他の物には何の興味も示さない。
そして、この島はチーズの生産量も消費量も少なく、チーズが人々の話題にのぼることもめったにない。
この島に確かにねずみは生息している。
ただ姿を現さないのだ。
しかし、何故写真に映るのか。
写真を撮る時、「はい チーズ」と言う。
すると、その「チーズ」に反応するのだ。
だから、「1+1=?」などではだめで、写真を撮る時に出てくるのだ。
おわり
てづか みかこ
東京都生まれ。将来は文筆家になりたい小学校4年生。作品は小学校3年生のときに作ったもの。
あうこ
福井県生まれ。静岡文化芸術大学大学院修了。子どもの頃から絵を描くことが好きで、DO-IT Japan( https://doit-japan.org/ )報告書の表紙の絵などを手がける。
ホームページURL
https://www.ayuko-kuwata.com/