スライド1 「令和6年度 学校図書館における読書バリアフリーコンソーシアム」公開シンポジウム 文部科学省における 読書活動・読書バリアフリー施策 文部科学省 総合教育政策局 地域学習推進課 図書館・学校図書館振興室長 小沢 文雄 文部科学省HPでは、読書バリアフリー法に関する情報を公開しています。 是非ご覧ください。 https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/1421441.htm 読書バリアフリー法 検索 スライド2 図書館・学校図書館・読書活動に関する国の計画 令和2年度(2020) 令和3年度(2021) 令和4年度(2022) 令和5年度(2023) 令和6年度(2024) 令和7年度(2025) 令和8年度(2026) 子供の読書活動 第4次子供の読書活動推進基本計画 平成30年度(2018)から令和4年度(2022) 第5次子どもの読書活動推進基本計画 (令和5年度〜令和9年度) 読書バリアフリー 読書バリアフリー基本計画 令和2年度(2020)から令和6年度(2024) 次期読書バリアフリー基本計画 学校図書館 第5次学校図書館図書整備等5か年計画 (平成29年度〜令和3年度) 第6次学校図書館図書整備等5か年計画 (令和4年度〜令和8年度) 令和7年度学校図書館の現状に関する調査 (予定) 学習指導要領の改訂 R2〜小学校R3〜中学校R4〜高等学校 スライド3 第五次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画の概要 趣旨 〇「子どもの読書活動の推進に関する法律」(H13)に基づき、「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(計画期間はおおむね5年)を策定 〇子どもの読書活動の推進に関する有識者会議による議論を経て、R5〜9年度の子どもの読書活動推進に関する基本方針と具体的方策を明らかにする 第1章近年における子どもの読書活動に関する状況等 子どもの読書活動に関する取組の現状 〇増加している点:図書館数、図書館でのオンライン閲覧目録の導入率、学校司書を配置する学校等の割合は増加 〇減少している点:図書館の児童用図書の貸出冊数、全校一斉の読書活動を行う学校の割合は減少 子どもの読書活動の現状 不読率の現状 目標:R4年度末までに不読率: 小学生2%以下、中学生8%以下、高校生26%以下 ※不読率=1か月の間に本を1冊も読まない児童生徒の割合 現状:不読率の推移(%)いずれの学校段階でも数値目標は達成されていない R4:小学生6.4%、中学生18.6%、高校生51.1% (グラフ)全国学校図書館協議会「学校読書調査」より 平成12年 高校生59% 中学生43% 小学生16% 平成13年 高校生67% 中学生44% 小学生11% 平成14年 高校生56% 中学生33% 小学生9% 平成15年 高校生59% 中学生32% 小学生9% 平成16年 高校生43% 中学生19% 小学生7% 平成17年 高校生51% 中学生25% 小学生6% 平成18年 高校生50% 中学生23% 小学生6% 平成19年 高校生48% 中学生15% 小学生5% 平成20年 高校生52% 中学生15% 小学生5% 平成21年 高校生47% 中学生13% 小学生5% 平成22年 高校生44% 中学生13% 小学生6% 平成23年 高校生51% 中学生16% 小学生6% 平成24年 高校生53% 中学生16% 小学生5% 平成25年 高校生45%中学生17% 小学生5% 平成26年 高校生49% 中学生15% 小学生4% 平成27年 高校生52% 中学生13% 小学生5% 平成28年 高校生57% 中学生15% 小学生4% 平成29年 高校生50% 中学生15% 小学生6% 平成30年 高校生56% 中学生15% 小学生8% 令和元年 高校生55% 中学生13% 小学生7% 令和3年 高校生50% 中学生10% 小学生6% 令和4年 高校生51.1% 中学生18.6% 小学生6.4% 新型コロナウイルスの感染拡大 〇各学校の臨時休業、図書館の臨時休館等により、図書へのアクセスがしにくい状況が影響を与えた可能性 〇小学生から高校生までの子供の不読率は、令和元年度から令和3年度、全国一斉臨時休業等を経て上昇 ※令和元年〜2年、自宅学習が難しい小学校低学年、中学校、高等学校入学直後の学年に不読率が特に上昇、本を読む時間が減少、漫画や雑誌を読む時間が増加 (令和4年度子供の読書活動の推進に関する有識者会議(第4回)発表資料) 読書量・読解力の現状 〇1か月間の平均読書冊数は、いずれの学校段階でも、推進法が制定された平成13年よりも令和4年の方が多い  (小学生6.2冊→13.2冊、中学生2.1冊→4.7冊、高校生1.1冊→1.6冊) (全国学校図書館協議会「学校読書調査」) 〇日本の子どもの読解力の平均得点は、OECD平均より高得点のグループに位置している(加盟国37カ国中11位) ※日本は漫画やフィクションを読む生徒の割合が高い。新聞、フィクション、ノンフィクション、漫画のいずれも、よく読む生徒の読解力の得点が高い (OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査) スライド4 第2章基本的方針 急激に変化する時代において、必要とされる資質・能力を育む上で、読解力や想像力、思考力、表現力等を養う読書活動の推進は不可欠であり、全ての子どもたちが読書活動の恩恵を受けられるよう、以下の点を考慮し、社会全体で子どもの読書活動を推進する 1不読率の低減 就学前からの読み聞かせ等の促進、入学時等の学校図書館のオリエンテーション等の充実 不読率が高い状態の続く高校生:探究的な学習活動等での図書館等の活用促進、大人を含めた読書計画の策定等 2多様な子どもたちの読書機会の確保 障害のある子ども、日本語指導を必要とする子ども等、多様な子どもの可能性を引き出すための読書環境を整備 3デジタル社会に対応した読書環境の整備 社会のデジタル化、 GIGAスクール構想等の進展等を踏まえ、言語能力や情報活用能力を育むとともに、緊急時等を含む多様な状況における図書への継続的なアクセスを可能とするために、図書館及び学校図書館等の DXを進める 4子どもの視点に立った読書活動の推進 子どもが主体的に読書活動を行えるよう、子どもの意見聴取の機会を確保し、取組に反映させる 第3章子どもの読書活動の推進体制等 〇国及び地方公共団体は、子どもの読書活動の推進に関する施策が円滑に実施されるよう、学校、図書館その他の関係機関及び民間団体との連携の強化その他必要な体制整備に努める 〇都道府県、市町村は、子どもの読書活動の推進に関する施策についての計画策定に努める(推進法第9条) ※地方公共団体の判断により、教育振興基本計画など他の計画との統合や他の地方公共団体との共同策定も可能 市町村 市町村推進計画策定率の数値目標(令和4年度末までに、市100%、町村70%以上)を達成(令和3年度:市:93.9%、町村:74.4%) 目標: 市:100% 町村:80%以上 都道府県 ?都道府県立図書館を活用した市町村への支援 ?域内市町村への助言、取組・施策の紹介 ?高等学校、私立学校等を所管する立場から、高校生や私立学校に通う子どもに着目した読書活動の推進等の関連施策の実施 国 ?ICTを活用した取組、市町村計画策定状況、読書推進にかかる人材の育成、多様な子どもの読書環境の整備等について、調査等を通じ、実態把握・分析 ?地方公共団体・図書館・学校図書館等の運営の参考となる資料等を全国に共有 スライド5 第4章子どもの読書活動の推進方策@ 子どもの読書活動の推進に当たっては、家庭、地域、学校等が中心となり、社会全体で取り組む必要がある T共通事項 1連携・協力 〇教師(司書教諭を含む)、学校司書、保育士、司書、指導主事、社会教育主事、ボランティア等、関係者の連携・協力 〇地域における学習資源・人的資源の共有 ・地域の図書等資料の有効活用、読書バリアフリーコンソーシアムの推進等 ・地域学校協働活動の推進(コミュニティ・スクールとの一体的な推進) ・読書活動など体験活動に関するポータルサイトの構築 2人材育成 〇読書バリアフリー法やICT環境の変化を踏まえ、 ・司書等の講習・研修等の見直し ・国が実施する講習のオンライン化の推進 3普及啓発 〇国等による「子ども読書の日(4/23)」の普及促進(子どもの読書活動推進フォーラム) 〇文部科学大臣表彰等の対象範囲の拡大(幼児教育関係分野) 4発達段階に応じた取組 〇多様な子どもの状況に応じ、乳幼児期からの切れ目ない支援の促進 (乳幼児健診等の機会を通じて絵本を配布する取組等) 〇不読率の状況を勘案し、学校種間の移行段階に着目した取組の促進 (入学時等の学校図書館のオリエンテーション等) 5子どもの読書への関心を高める取組 〇子どもが主体となって実施する活動や協働的な活動の推進(読書会(ビブリオバトル)、子ども司書、図書委員、まわし読み新聞等) 〇ICTの活用による既存の取組の更なる参加促進(オンライン読み聞かせ、読書記録アプリ等) 〇全ての子どもの参加しやすさを考慮した取組の促進(手話、多言語対応等) U家庭 〇家庭教育支援の一環として位置づけ、家庭での読書活動の習慣化を推進 ・家庭教育支援チームの配置促進を図るとともに、その際「ブックスタート」、「家読(うちどく)」等の活動推進 スライド6 第4章子どもの読書活動の推進方策A 子どもの読書活動の推進に当たっては、家庭、地域、学校等が中心となり、社会全体で取り組む必要がある V地域(図書館) 〇地域における読書活動の推進を図るため、以下の取組を促進 多様な子どもたちの読書機会の確保 ・アクセシブルな電子書籍・書籍等(点字資料等)の整備・提供 ・多言語・やさしい日本語による利用案内 ・地域の子どもが親しみやすい講座、体験活動等に関連付け た取組 ・民間団体(子ども食堂等)への貸出、出前おはなし会 デジタル社会に対応した読書環境の整備 ・電子書籍貸出サービス、デジタルアーカイブの充実 ・オンラインでのイベント開催(読書会、読み聞かせ) 子どもの視点 ・イベント等への企画段階からの子どもの参画 ・子どもの要望を取り入れた資料・環境整備 (YA(ヤングアダルト)コーナーの設置、子どもが立ち寄りや すく・心地よい読書環境づくり) 〇図書館の設置・運営及び資料の充実 ・図書館資料の計画的整備 ・施設整備に係る官民連携の取組やデジタル化の推進 ・「望ましい基準」の見直しの検討 〇司書等の配置の促進 W学校等 〇学校等における読書活動の推進を図るため、以下の取組を促進 多様な子どもたちの読書機会の確保 ・特別支援学校含めた学校図書館資料の整備 ・多様な背景を持つ子どもへの読書機会の場の提供 ・図書館、ボランティア等との連携 (団体貸出、出張読み聞かせ、絵本を通じた異年齢交流会、各 教科等における図書館の活用促進等) デジタル社会に対応した読書環境の整備 ・1人1台端末の活用(学校図書館システム等のリンク等) ・電子書籍貸出サービスの導入(図書館の電子書籍貸出サービ ス等との連携) ・学校図書館図書情報のデータベース化 子どもの視点 ・子どもの意見聴取の機会の確保 ・図書委員等の子どもの学校図書館の運営への主体的な参画 〇学校図書館資料の計画的整備 ・第6次学校図書館図書整備等5か年計画に基づく整備推進 ・「学校図書館ガイドライン」等の見直しの検討 〇司書教諭、学校司書の配置の促進 X民間団体 〇民間団体における読書活動の推進を図るため、以下の取組を促進 ・読書週間等のキャンペーン、読書感想文コンクール、フォーラムの開催 ・専門的知識を有する者の養成(絵本専門士等) ・地域における読み聞かせ等の活動の推進(図書館のボランティア登録制度の充実) 〇民間団体やボランティアの取組の周知・推奨及び子どもゆめ基金による助成等 スライド7 第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」 令和4年度からの5年間で学校図書館図書標準の達成を目指すとともに、計画的な図書の更新、学校図書館への新聞配備と学校司書の配置拡充を図る。 単年度:480億円 5か年計:2,400億円 単年度:480億円 図書 199億円 増加冊数 39億円【学校図書館図書標準の不足冊数分】 更新冊数 160億円【図書の更新を促進するための更新冊数分】 新聞 38億円 小・中学校等 26億円うち小学校等:2紙 中学校等:3紙 高等学校等 12億円【高等学校等に5紙配置】 学校司書 243億円【小・中学校等のおおむね1.3校に1名程度配置】 5か年計:2,400億円 図書 995億円 増加冊数 195億円【学校図書館図書標準の不足冊数分】 更新冊数 800億円【図書の更新を促進するための更新冊数分】 新聞 190億円 小・中学校等 130億円うち小学校等:2紙 中学校等:3紙 高等学校等 60億円【高等学校等に5紙配置】 学校司書 1,215億円【小・中学校等のおおむね1.3校に1名程度配置】 スライド8 学校図書館整備の流れ ※地方財政措置 地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、どの地域に住む国民にも一定の行政サービスが提供できるよう財源保障をするもの。 地方公共団体が学校図書館の図書等の整備のために必要な標準的な経費については、普通交付税の基準財政需要額に参入している。 学校 @学校現場で整理 教委に状況報告 校長を中心に、教頭、教務主任、事務職員等による予算委員会を組織するなど、校内組織を生かして全校的な対応を図り、整備が必要な図書の優先順位付け、学校司書との連携方法等を検討。 それを踏まえ、教育委員会に情報提供・要望。 ↓@状況報告 教育委員会 A教育委員会内で整理 ・学校図書館の現状、優先順位の把握 ・図書整備、新聞配備、学校司書配置に向けた、複数年次にわたる計画の策定 ・学校の意見を聞き、製作目標、製作効果等を整理 ↑↓総合教育会議 B協議・調整 地方公共団体 B教育条件整備について協議・調整 ・教育大綱に学校図書館整備計画を位置付ける等 総合教育会議において、首長と教育委員会が協議・調整することにより、両者が教育政策の方向性を共有し、一致して執行にあたることが可能になります。 教育委員会 C財政部局に予算要求・説明 文部科学省の資料等も活用しましょう! ・第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」 ・令和2年度「学校図書館の現状に関する調査」 ・令和3年度「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」 ・図書、新聞、学校司書等の相関性が明らかになりました。 ・重点的に推進するべき13指標から、都道府県別の状況が明らかになりました。 ↓C予算要求 地方公共団体 ↓D予算配賦 教育委員会 ↓E予算配賦 学校 スライド9 読書バリアフリー〜誰もが読書をできる社会を目指して〜 読書バリアフリーとは? 障害の有無に関わらず、すべての人が読書による文字・活字文化の恩恵を受けられること。 背景・経緯 2018年「盲人、視覚障害者その他印刷物の判読に障害のある者が発行された著作物を利用する機会を促進するためのマラケシュ条約」(通称:マラケシュ条約)の締結 2019年「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(通称:読書バリアフリー法)の施行 2020年「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」の策定 〜 現在地方公共団体における計画策定(努力義務)の推進 視覚障害者等とは? 視覚障害者:約27万人 全盲・弱視など 身体障害者:約158万人(肢体不自由) 寝たきりや上肢の障害等の理由により書籍を持つことやページをめくることが困難・眼球使用が困難 学習障害者:約3万人(通級による指導を受けている児童生徒数) ディスレクシアなどの学習障害等により読字が困難 188万人以上が読書に困難を抱えている 出典:令和4年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査) 特別支援教育資料(令和4年度) 現状は? 視覚障害者等が利用しやすい書籍等は十分ではない (視覚障害者向け書籍数は蔵書総数の140分の1程度) 公共図書館における資料の状況 蔵書冊数総計:448,090,795冊 視覚障害者向け書籍数※: 3,188,060冊 ※録音図書、点字図書等、大活字本の保有数の合計 出典:令和3年度社会教育統計 視覚障害者等が利用しやすい書籍等(以下「アクセシブルな書籍等」)とは? 点字図書、拡大図書、音訳図書、触る絵本、LLブック、布の絵本、音声読み上げ対応の電子書籍、デイジー図書、オーディオブック、テキストデータ等 スライド10 読書バリアフリー法 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)概要 目的(1条) 視覚障害者等(=視覚障害、発達障害、肢体不自由等の障害により、書籍について、視覚による表現の認識が困難な者)の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進 ▽ 障害の有無にかかわらず全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与 基本理念(3条) ・アクセシブルな電子書籍等(デイジー図書・音声読上げ対応の電子書籍・オーディオブック等)が視覚障害者等の利便性の向上に著しく資することに鑑み、その普及が図られるとともに、視覚障害者等の需要を踏まえ、引き続き、アクセシブルな書籍(点字図書・拡大図書等)が提供されること ・アクセシブルな書籍・電子書籍等の量的拡充・質の向上が図られること ・視覚障害者等の障害の種類・程度に応じた配慮がなされること 国・地方公共団体の責務(4条・5条) ・国は、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策を総合的に策定・実施 ・地方公共団体は、国との連携を図りつつ、地域の実情を踏まえ、施策を策定・実施 基本的施策(9条〜17条) @視覚障害者等の図書館利用に係る体制整備等(9条) Aインターネットを利用したサービス提供体制の強化(10条) B特定書籍・特定電子書籍等の製作の支援(11条) Cアクセシブルな電子書籍等の販売等の促進等(12条) D外国からのアクセシブルな電子書籍等の入手のための環境整備(13条) E端末機器等・これに関する情報の入手支援(14条) F情報通信技術の習得支援(15条) Gアクセシブルな電子書籍等・端末機器等に係る先端的技術等の研究開発の推進等(16条) H製作人材・図書館サービス人材の育成等(17条) ※地方公共団体は、Bのテキストデータ等の提供促進部分・C・D・Gを除き、国と同様に施策を講ずる ▽ 文部科学大臣・厚生労働大臣が定める基本計画で具体化(7条)、地方公共団体は計画策定の努力義務(8条) 政府に対し、施策の実施に必要な財政上の措置等を義務付け(6条) 協議の場等(18条) 文部科学省、厚生労働省、経済産業省、総務省等の関係行政機関の職員、国会図書館、公立図書館、大学等の図書館、学校図書館、点字図書館、上記Aのネットワークの運営者、特定書籍・特定電子書籍等の製作者、出版者、視覚障害者等その他の関係者による協議の場を設ける等 スライド11 読書バリアフリー基本計画 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(「読書バリアフリー基本計画」) 令和2年7月14日策定 本計画の位置付け ?視覚障害者等(=視覚障害、発達障害、肢体不自由等の障害により、書籍について、視覚による表現の認識が困難な者)の読書環境の整備の推進に関する施策の推進を図るため、読書バリアフリー法(7条)に基づき、総務大臣・経済産業大臣等との協議を経て、文部科学大臣・厚生労働大臣が策定(対象期間:令和2〜令和6年度)。 ?関係者による「協議の場」(18条)として設置した関係者協議会からの意見聴取を踏まえて策定。 ?本計画策定後も、引き続き関係者協議会を開催し、定期的な施策の進捗状況等の把握、課題の解決に向けた取組を実施。 施策の方向性 1.視覚障害者等による図書館の利用に係る体制の整備等(9条関係) ?公立図書館や学校図書館におけるアクセシブルな書籍等の充実 ?各図書館の特性や利用者のニーズ等に応じた、円滑な利用のための支援の充実 ?視覚障害等のある児童生徒及び学生等が在籍する学校における読書環境の保障 ?公立図書館や学校図書館における障害者サービスの充実 2.インターネットを利用したサービスの提供体制の強化(10条関係) ?アクセシブルな書籍等の統合的な検索システムに係る十分な周知 ?国立国会図書館やサピエ図書館のサービスの周知、サービス内容や提供体制等の検討 3.特定書籍・特定電子書籍等の製作の支援(11条関係) ?特定書籍・特定電子書籍等(=著作権法第37条により製作されるアクセシブルな書籍・電子書籍等)の製作ノウハウ共有等による製作の効率化 4.アクセシブルな電子書籍等の販売等の促進等(12条関係) 5.外国からのアクセシブルな電子書籍等の入手の ための環境整備(13条関係) 6.端末機器等及びこれに関する情報の入手支援、 ICTの習得支援(14条・15条関係) 7.アクセシブルな電子書籍等・端末機器等に係る先端的技術等の研究開発の推進等(16条関係) 8.製作人材・図書館サービス人材の育成等(17条関係) ・司書、司書教諭・学校司書、職員等の資質向上に資する研修等の実施 ・点訳者・音訳者、アクセシブルな電子データ製作者等の計画的な人材の養成 スライド12 学校図書館における読書障害者サービスの現状 <学校図書館における障害者サービスの現状> 学校図書館ガイドライン(平成28年11月29日初等中等教育局長通知) (5)学校図書館における図書館資料 @図書館資料の種類 ○発達障害を含む障害のある児童生徒や日本語能力に応じた支援を必要とする児童生徒の自立や社会参画に向けた主体的な取組を支援する観点から,児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた様々な形態の図書館資料を充実するよう努めることが望ましい。 例えば,点字図書,音声図書,拡大文字図書,LLブック,マルチメディアデイジー図書,外国語による図書,読書補助具,拡大読書器,電子図書等の整備も有効である。  <児童生徒等の読書環境の整備に資する多様な蔵書等の整備状況> ○令和2年度学校図書館の現状に関する調査(令和元年度末時点) 小学校 学校数 18,849 所蔵している学校数の割合 電子書籍 0.2% 点字図書 42.5% 拡大図書、大活字図書 15.5% 録音図書(音声デイジー含む) 5.2% マルチメディアデイジー図書 1.3% LLブック 6.2% 外国語の図書 67.0% 映像資料 12.0% 中学校 学校数 9,120 所蔵している学校数の割合 電子書籍 0.3% 点字図書 19.6% 拡大図書、大活字図書 16.5% 録音図書(音声デイジー含む) 5.7% マルチメディアデイジー図書 1.0% LLブック 4.0% 外国語の図書 69.7% 映像資料 15.3% 高等学校 学校数 3,436 所蔵している学校数の割合 電子書籍 1.4% 点字図書 12.3% 拡大図書、大活字図書 8.7% 録音図書(音声デイジー含む) 10.9% マルチメディアデイジー図書 0.6% LLブック 2.2% 外国語の図書 66.1% 映像資料 44.6% 特別支援学校 小学部 学校数 860 所蔵している学校数の割合 電子書籍 2.8% 点字図書 20.7% 拡大図書、大活字図書 22.3% 録音図書(音声デイジー含む) 17.9% マルチメディアデイジー図書 25.8% LLブック 10.8% 外国語の図書 22.2% 映像資料 40.9% 特別支援学校 中学部 学校数 854 所蔵している学校数の割合 電子書籍 2.5% 点字図書 15.8% 拡大図書、大活字図書 16.2% 録音図書(音声デイジー含む) 14.2% マルチメディアデイジー図書 21.0% LLブック 9.4% 外国語の図書 21.1% 映像資料 37.7% 特別支援学校 高等部 学校数 891 所蔵している学校数の割合 電子書籍 2.4% 点字図書 13.8% 拡大図書、大活字図書 14.1% 録音図書(音声デイジー含む) 13.9% マルチメディアデイジー図書 19.6% LLブック 9.4% 外国語の図書 21.8% 映像資料 36.9% 義務教育学校 前期課程 学校数 100 所蔵している学校数の割合 電子書籍 0.0% 点字図書 41.0% 拡大図書、大活字図書 19.0% 録音図書(音声デイジー含む) 8.0% マルチメディアデイジー図書 1.0% LLブック 13.0% 外国語の図書 74.0% 映像資料 15.0% 義務教育学校 後期課程 学校数 100 所蔵している学校数の割合 電子書籍 0.0% 点字図書 19.0% 拡大図書、大活字図書 17.0% 録音図書(音声デイジー含む) 10.0% マルチメディアデイジー図書 0.0% LLブック 7.0% 外国語の図書 77.0% 映像資料 18.0% 中等教育学校 前期課程 学校数 33 所蔵している学校数の割合 電子書籍 3.0% 点字図書 9.1% 拡大図書、大活字図書 12.1% 録音図書(音声デイジー含む) 15.2% マルチメディアデイジー図書 0.0% LLブック 0.0% 外国語の図書 75.8% 映像資料 36.4% 中等教育学校 後期課程 学校数 31 所蔵している学校数の割合 電子書籍 6.5% 点字図書 3.2% 拡大図書、大活字図書 12.9% 録音図書(音声デイジー含む) 12.9% マルチメディアデイジー図書 0.0% LLブック 0.0% 外国語の図書 80.6% 映像資料 38.7% 合計 学校数 34,274 所蔵している学校数の割合 電子書籍 0.6% 点字図書 31.2% 拡大図書、大活字図書 15.2% 録音図書(音声デイジー含む) 6.7% マルチメディアデイジー図書 2.7% LLブック 5.5% 外国語の図書 64.3% 映像資料 18.3% スライド13 学校図書館における読書バリアフリーの取組事例 安来市立荒島小学校(島根県) 読みに困難を抱える児童に読書機会を〜国立国会図書館「視覚障害者等用データ送信サービス」導入〜 取組の主体 島根県安来市立荒島小学校 取組の経緯 荒島小学校は、全校生徒170名が在籍し1学年1クラスで構成されており通常学級の他に特別支援学級があります。 特別支援学級では以前より、音声と一緒に文字や画像が表示されるマルチメディアDAISY図書「わいわい文庫」を利用していましたが、使用していたCD-ROMはデータ上、目次番号とローマ字表記のタイトルしか記されておらず児童が個人で操作することは極めて難しく、教員が準備をしないと読書ができず、更に限られた書籍データの中から選択することしかできないため、読書の自由度が低いことが課題となっていました。 そのような中で令和3年度に、GIGAスクール構想により児童に1人1台タブレット端末が整備され、校内のWiFi環境が整備されました。同時期に、「わいわい文庫」が国立国会図書館に収蔵されインターネット上から電子書籍の利用が可能になったことから、個人のタブレット端末で読書ができるよう国立国会図書館「視覚障害者等用データ送信サービス」を導入することとなりました。 具体的な取組内容 荒島小学校では、国立国会図書館データベース上から書籍データをダウンロードし児童に読んでもらうためのデータの橋渡し役として「CHATTYBOOKS」を採用しました。 児童は書影ポスターを見て読みたい本を選び「よみたいですカード」を学校図書館に提出します。学校司書は国立国会図書館データベース上から対象の書籍データをダウンロードし「CHATTYBOOKS」にアップロードすると、児童は個人のタブレット端末で書籍データをダウンロードし本を読むことが出来ます。読了後は学校図書館へ「よみましたカード」を提出することで返却となります。 貸出・返却の際、学校図書館では同じ本の蔵書があれば紙書籍で貸出処理を行い、学校図書館に無い場合、市内他校や市立図書館で借りて貸出処理を行います。 令和4年度子供の読書活動の推進等に関する調査研究(電子図書館・電子書籍と子供の読書活動推進に関する実態調査)(令和5年3月) スライド14 学校図書館における読書バリアフリーの取組事例 ○学校図書館の利用者数を増やす 富山県立富山視覚総合支援学校  貸出用パソコンへの読み上げソフトのインストール、バーコードリーダーの使用方法を明記する、手で読む本、音が出る本、デイジー図書、点字本を整備することで、図書室利用が大幅に増加。 ▲バーコードリーダー ○学校図書館で確かな学力を育む 鳥取大学附属特別支援学校 オリジナルの大型絵本作りをすることで思考力や表現力を高める。 大型絵本をDAISY化する活動を通して、人にわかりやすく伝えるための話し方に取り組む。 ▲マルチメディアDAISY化した生徒の創作絵本 ○学校図書館を活用して言語活動を深める 広島県立広島中央特別支援学校 幼稚部,小学部低学年,知的障害を伴う児童生徒が利用しやすい絵本図書館を別設。 情報化の推進に取り組めるよう、サピエに会員登録して利用できるようにし、学校図書館にICT機器を整備。 ▲絵本を置いてある絵本図書館 ○個々の障害に応じて読書を支援する 沖縄県立沖縄盲学校 障害の状態に応じるため、点字図書、拡大図書、録音図書などを揃えている。 読書活動をする際、個々の障害に応じた支援をするための機器を設置している。(よむべえスマート、拡大読書器、音声読み上げ用パソコン、プレクストークなど) 出典:「図書館実践事例集〜主体的・対話的で深い学びの実現に向けて〜(学校図書館)」(文部科学省) ↓詳しくはこちら! https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/dokusho/link/mext_00768.html スライド15 できることは? アクセシブルな書籍等を入手する みなサーチ(国立国会図書館障害者用資料検索) 全国にあるアクセシブルな書籍等を統合的に検索できるシステム。視覚障害者等用データ送信サービスの送信承認館になると、直接データのダウンロードやストリーミングも可能。 https://mina.ndl.go.jp/ 視覚障害者等用データ送信サービス 本サービスの送信承認館は、国立国会図書館や公共図書館等が製作した250万件以上の視覚障害者等用データ(DAISYデータ、点字データ、テキストデータ等)をダウンロードすることが可能。サービスの利用は無料。 視覚障害者等用データ送信サービス 送信承認館:345館(全公立・学校図書館の約0.9%) うち学校図書館:49館 うち特別支援学校図書館:24館 うち21館は教育委員会主導で導入 (2024年6月末時点) 送信承認館の申請はコチラ→https://www.ndl.go.jp/jp/library/supportvisual/supportvisual-10.html サピエ図書館 サピエの施設会員になると、サピエが保有する30万タイトル以上の録音・点字・電子図書をダウンロードすることが可能。 国立国会図書館の視覚障害者等用データも、一部を除いて利用可能。施設会員の年間利用料は4万円。 https://www.sapie.or.jp/sapie_manual.shtml 図書館の読書バリアフリーを進めるために是非これらのサービスをご活用ください!! アクセシブルな書籍等を知る・広める りんごプロジェクト NPO法人ピープルデザイン研究所が行う、アクセシブルな図書の普及事業。全国各地の学校や図書館等で、出前事業や体験会を実施。図書館における「りんごの棚」(アクセシブルな図書のコーナー)設置の普及を目指す。 https://www.mext.go.jp/content/20240618-mxt_kyousei01-000036612_24.pdf 読書バリアフリー啓発用リーフレット 文部科学省HPから、読み上げ対応版、A4サイズ印刷版、テキスト版がダウンロード可能。 https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/mext_01304.html 冊子も配布中です。 ご希望ありましたら、お問い合わせください!! スライド16 図書館・学校図書館と地域の連携協働による読書のまちづくり推進事業 令和6年度補正予算額(案)0.5億円 現状・課題 ○読書活動は言葉を学び、感性、表現力、創造力等を培う上で欠かせないものであり、全ての学習の基盤である言語能力を育む。 −読書を肯定的にとらえる生徒や本を読む頻度が高い生徒の方が、読解力の得点が高い ※1 −子どもの頃の読書量が多い人は意識・非認知能力等(自己肯定感、コミュニケーション力等を含む)が高い傾向 ※2 ○我が国の読書活動を取り巻く環境は厳しい状況にあり、全国約4分の1( 27%)の町村には図書館も書店もない ※3 ○不読率は高い水準で推移。高校生の約2人に1人(44%)は1か月に1冊も本を読まない(R5) ※4 ○成人の読書離れが過去最も深刻化。「本を読まない」人の割合は6割へ急増(R5。H30より15%増)※5 読書をする人は書店や図書館で実際に手に取って選ぶ傾向も。身近で読書に触れる場や機会が必要 ⇒地域に根差した子供の読書環境の醸成が急務 取組を広げるためには、読書環境醸成のノウハウの分析とモデル化、全国的共有が必要 ⇒図書館・学校図書館を中核とした地方創生の実現 図書館が地域の課題解決支援サービスの提供、交流拠点や賑わいの中心として地域活性化に資する 【国の計画等】 ・第五次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(R5.3.28閣議決定) 図書館等が、地域の書店、出版社、民間団体等との連携に努め、地域に根差した子どものための読書環境醸成に取り組む ・骨太の方針2024(令和6年6月21日閣議決定) 書籍を含む文字・活字文化の振興(書店と図書館等との連携 促進及び読書バリアフリーの推進を含む。)や書店の活性化を図る 事業内容 骨太の方針2024等を踏まえ、図書館と学校図書館、書店を含む地域の様々な関係機関の連携協働による読書活動を促進し、地方創生に資する読書を通じたまちづくりのモデル事業を実施するとともに、連携促進に向けた課題に係る実態調査等を行う。また、公立図書館等を対象に、障害者サービスにかかる体制整備や視覚障害者等の利用しやすい書籍に関する調査研究等を実施する。 <委託事業:自治体等> 1読書のまちづくり推進事業(R6〜) 自治体・教育委員会、図書館や学校図書館、書店、NPO等の関係機関が参画する「協議会」を設置し、読書環境の整備・改善に向けた連携協働モデルの構築・普及により、誰も取り残すことのない読書環境整備や多様な分野における地域価値が創造され、地方創生に資する。(6箇所×6百万円) <事業展開のイメージ> 協議会の設置 〇連携に係るプロセス、ノウハウの実証 ・地域課題の抽出や目標設定 ・地域の交流促進、読書推進に係るアイデア創出 ・読書に係る地域資源の発掘 連携協働 図書館 学校図書館 幼児教育・保育施設 社会教育施設 高齢者施設 書店 読み聞かせ 絵本専門士等PTA、こども会 電子書籍活用、DX 多様な人々への読書支援 商店街 地域における読書環境の整備 協議会 読書へのアクセス確保→読書へのアクセスが困難な地域での電子書籍を活用した取組、多様 な人々(外国人等)の読書支援 読書を通じた地域の活性化 →読書の魅力を伝える取組を通じて、住民同士の交流を活性化 →地域に根差した起業支援、子育て・健康支援等、様々な地域課題の解決や潜在能力の開花に繋げる 読書を支える人材の育成→司書や絵本専門士等の読書に係る専門家が協力した取組、児童生徒や社会人の読書を支えるサポーター養成等 ↓ 誰も取り残すことのない読書環境整備 多様な分野における地域価値創造 読書を通じた地域への愛着等の醸成 ↓ 地方創生 まちの魅力化 交流人口の増加 2図書館・関係機関等の連携促進に向けた調査研究(R6〜) 図書館と様々な関係団体とが連携を図る上で課題とされる事項について現状を把握するため、全国の実態調査を実施し、 分析等を行う。また、障害者サービスに係る体制等に関する調査を実施する。(連携課題:6百万円、障害者サービス:9百万円) 出典)※1 OECD,PISA2018※2 子どもの頃の読書活動の効果に関する調査研究(令和3年3月 独立行政法人国立青少年教育振興機構) ※3 日本図書館協会調べ(JPO等データ参照)※4 第68回学校読書調査(全国学校図書館協議会)※5 令和5年国語に関する世論調査(文化庁) (担当:総合教育政策局地域学習推進課、男女共同参画共生社会学習・安全課) スライド17 読書活動総合推進事業 令和7年度要求・要望額85百万円 (前年度予算額44百万円) 現状・課題 ○国の計画への対応 ・第五次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(R5.3.28閣議決定) R5年度からの5か年計画を踏まえ、「不読率の低減」、「多様な子どもたちの読書機会の確保」、「デジタル社会に対応した読書環境の整備」のための方策、取組等の検討が必要。 ・第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」(R4〜R8) R4年度からの第6次計画を踏まえた国の支援策が必要。学校図書館図書標準の達成、計画的な図書の更新等が課題。 ○取り巻く情勢の変化ーデジタル社会への対応ー ・GIGAによる一人一台端末の整備を踏まえた学校図書館の利活用が課題。 ・子供達の情報活用能力の育成とともに、多様な子供達の読書機会の確保等のために、電子書籍の利用、学校図書館や図書館のDXを進める必要がある。 ○読書活動の総合的推進 ・多様な子供の読書活動を推進するためには、図書館、学校、民間団体など関係機関が連携して行う子供の読書活動を推進する様々な取組を促す必要がある。 ○文字・活字文化の振興 ・骨太の方針2024(令和6年6月21日閣議決定)「書籍を含む文字・活字文化の振興(書店と図書館等 との連携促進(中略)を含む)や書店の活性化を図る」に基づき、地域の実情に応じた連携事業を支援する。 事業内容(令和4年度〜) 「子どもの読書活動に関する基本的な計画」等への対応のため、図書館や学校図書館等を活用した読書活動を総合的に推進するための以下の取組を行う。 図書館・学校図書館等を活用した読書活動の推進10百万円(8百万円) 子ども読書基本計画等に対応した読書活動や学習指導要領を踏まえた学校図書館の機能強化や活性化に向け、新たな読書活動のモデルなどを構築するため、読書活動推進モデル事業を実施する。 <委託事業:教育委員会等> 1子供の読書活動総合推進事業・発達段階などに応じた読書活動推進事業 不読率低減に向けた読書活動の先導的な取組や、発達段階や多様な子供のニーズ等に対応した効果的な取組を行う。 (委託先:2箇所(小・中・高等学校等、公立図書館)×0.8百万円) 2学校図書館図書の整備促進事業 新しいトピックに関連する書籍(SDGsなど)、新聞、優良図書及び授業に必要な基本図書の整備状況などを再点検し、計画的な図書の更新を定めた図書整備計画の策定や図書館資料を活用したモデル授業の実施などの取組を行う。 (委託先:2箇所(小・中・高等学校、特別支援学校等)×1百万円) 司書教諭養成講習の実施 21百万円(21百万円) 学校図書館法に基づき、学校図書館の専門的職務を掌る「学校図書館司書教諭」の養成のため、全国の教育機関が講習を実施するための経費を措置する。 <委託事業:47箇所(大学及び教育委員会)×0.5百万円> 読書活動の推進等に関する調査研究 8百万円(11百万円) 子供の読書活動の実態把握など諸制度の見直しや施策立案に必要な基礎資料を得るための調査分析等を行う。<委託事業:1団体×8百万円> 図書館、学校図書館、書店等の連携協働による読書のまちづくり推進事業 41百万円(新規) 骨太の方針2024等を踏まえ、図書館と書店等の連携協働による読書活動を促進し、地域の活性化に資する読書を通じたまちづくりのモデル事業を実施するとともに、連携促進に向けた課題に係る実態調査等を行う。<委託事業:自治体等> 1読書のまちづくり推進事業 自治体・教育委員会、図書館や関係機関、書店等の民間企業等が参画する「協議会」を設 置し、連携協働の取組により地域の活性化に資する読書を通じたまちづくりのモデルを構築する。 <取組例>(委託先:6箇所(自治体等)×6百万円) ・図書館・書店等の連携協働による地域振興やまちの魅力化へつながる読書活動の取組、共通課題の解決に向けた取組(例:図書の装備のあり方に係る検討・実証等) ・各種公共施設、書店や商業施設等の様々な場で活動する人々の中で読書活動の担い手を育成し(絵本専門士等の活用、地域独自の読書推進員やサポーター(仮)の養成講座の実施等)、多様な場・対象に応じた読書活動を推進 ・デジタル社会への対応、多様なニーズと読書スタイルに対応した読書環境の整備(図書館と書店等のシステム連携等のDX化の実証、紙と電子書籍の併用による相乗効果の検証等)、読書へのアクセスが困難な地域の読書支援等 2図書館・書店等連携促進に向けた調査研究 図書館において同一書籍を複数所蔵する「複本」や装備費負担、地元書店からの書籍購入 の状況等、図書館と書店が連携を図る上で課題とされる事項について現状を把握するため、 全国の実態調査を実施し、分析等を行う。(委託事業:1箇所×6百万円) 「子ども読書の日」(4月23日)の理解推進5百万円(5百万円) 「子ども読書の日」(4月23日)を広く周知するとともに、特色ある優れた取組を行っている図書館・学校・団体等を表彰する。<直轄事業> アウトプット(活動目標) ・新たな読書、授業モデルの構築 ・司書教諭講習を実施する機関の増加 短期アウトカム(成果目標) ・読書に興味が深まった子供の増加 ・学校図書館の活用に理解が深まった教職員の増加 ・司書教諭講習の修了者数の増加 長期アウトカム(成果目標) ・不読率の低減 (担当:総合教育政策局地域学習推進課) スライド18 図書館における障害者利用の促進 令和7年度要求・要望額 11百万円 (前年度予算額 11百万円) 背景・課題 令和元年6月に成立した「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)は、障害の有無にかかわらず全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与することを目的としている。また、読書バリアフリー法に基づき、令和2年7月に決定された「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」(読書バリアフリー基本計画)では、具体的な施策として、視覚障害者等の円滑な利用のための支援の充実、司書、司書教諭・学校司書等の資質向上、組織の枠を超えた取組や関係者間で連携した取組が行える体制構築などが具体的な施策としてあげられている。 このため、先導的な読書バリアフリーに関する研修や関係者が連携した取組を支援するとともに、これらの取組の成果を全国に普及することにより、地域の実情を踏まえた効果的な読書バリアフリーの取組を推進する。 事業内容(令和2年度〜) 地域の実情を踏まえた効果的な読書バリアフリーの取組を推進するため、以下の取組を行う。 1.障害者サービス検討委員会の設置等4.4百万円( 4.1百万円) 視覚障害者等の図書館利用に係るサービスの充実を図るため、有識者、自治体、公立図書館、学校図書館、大学図書館等の関係者で構成される委員会を設置し、振興方策の検討を行うとともに、実態調査や事例の収集等を行う。<直轄事業> 2.司書・職員等の支援人材、ピアサポート人材の育成1.9百万円( 1.9百万円) 司書、司書教諭・学校司書、職員、ボランティアが障害者サービスの内容を理解し、支援方法を習得するための研修や、読書支援機器(拡大読書器、DAISY再生機など)の使用方法に習熟するための研修等を行う。また、障害当事者でピアサポートができる司書・職員の育成や環境の整備を行う。 <2箇所(地方公共団体、民間団体)×1百万円> 3.読書バリアフリーコンソーシアムの設置等5.1百万円( 5.0百万円) 公立図書館、点字図書館、学校図書館、大学図書館等によるコンソーシアムを構築することにより、各館の資源の共有や人材の交流等を図るとともに、図書館を利用する視覚障害者等の増加を目的とした広報の強化を図る。また、これらの成果の普及及び読書バリアフリーの理解促進を目的としたフォーラムを開催する。<2箇所(地方公共団体、民間団体)×2.5百万円> 【対象者・事業種別等】 1・・・・・・・・国(本省直轄事業) 2.3・・・・国→地方公共団体・民間団体(委託事業) 成果の普及:@研修のプログラム・教材について文部科学省及び関係団体等のホームページで公開する。 A地域において構築されたコンソーシアムの成果をフォーラム等で発信する。 アウトプット(活動目標) ・読書バリアフリーに関するモデル研修の実施 ・読書バリアフリーの周知に向けたフォーラム開催回数の増加 短期アウトカム(成果目標) ・読書バリアフリーに向けた支援方法等※に理解が深まった、研修参加者の増加 ・読書バリアフリーに向けた支援方法等※に理解が深まった、フォーラム参加者の増加 ※ ・連携による多様な資料の提供(サピエ図書館への登録、国立国会図書館によるデータ提供送信承認館への登録) ・公共図書館の所蔵資料の提供(視覚障害者用資料) 長期アウトカム(成果目標) ・サピエ図書館の登録館数の増加 ・国立国会図書館によるデータ提供送信承認館数の増加 ・全国の図書館が保有する視覚障害者用資料数の増加 (担当:総合教育政策局地域学習推進課) スライド19 学校卒業後における障害者の学びの支援推進事業 令和7年度要求・要望額 1.49億円 (前年度予算額 1.36億円) 趣旨・背景 障害者権利条約の批准や障害者差別解消法の成立等により、学校卒業後の障害者に対する生涯学習の機会の確保が求められている。また近年、社会からの要請として、差別解消法や読書バリアフリー法等の施行により合理的配慮や情報保障への対応が急務となる中で、実態把握・モデル開発・普及啓発等の取組を進め、「障害の有無に関わらず共に学び、生きる共生社会」の実現を目指す。 障害者の生涯学習の推進に関する現状と課題 市区町村アンケート(R4) Q:障害者の生涯学習の取組を実施していますか? 実施している又は一般講座に障害者を受け入れている59% 実施していない41% 課題@:特に小規模自治体は、障害者の生涯学習の場が少なく、担い手側のノウハウがない。 社会教育施設アンケート(R5) Q:合理的配慮に関する意思表明を受けた経験がありますか? 受けたことは有る11% 受けたことは無い72% わからない16% 無回答1% 課題A:障害者の生涯学習の場における合理的配慮や情報保障に係る経験が少ない。 障害者本人アンケート(R4) Q:現在、生涯学習に取り組んでいますか? 取り組んでいる21% 取り組んでいない79% このうち56%が、「どのような学習があるのか知らない」と回答 課題B:生涯学習の機会に関する情報が障害当事者に伝わっていない。 「障害者基本計画(第5次)」(令和5年3月14日閣議決定) 地域における学校卒業後の学習機会の充実のため、教育・療育機関は、関係機関と連携して生涯学習を支援する機関としての役割を果たす。 「第4期教育振興基本計画」(令和5年6月16日閣議決定) 誰もが、障害の有無にかかわらず共に学び、生きる共生社会を実現するため、障害者の生涯学習の充実に向けて、社会教育施設や民間団体における取組、大学等における公開講座といった学びの場・機会の提供等の取組の推進を図る。 「経済財政運営と改革の基本方針2024」(令和6年6月21日閣議決定) 6.幸せを実感できる包摂社会の実現 (1)共生・共助・女性活躍社会づくり (共生) 第5次障害者基本計画に基づく障害者の就労や地域生活の支援及び生涯学習の推進、・・・(中略)・・・の促進を図る。 (2)安全・安心で心豊かな国民生活の実現 (文化芸術・スポーツ) ・・・(中略)・・・書籍を含む文字・活字文化の振興(書店と図書館等との連携促進及び読書バリアフリーの推進を含む)や書店の活性化を図る。 事業内容 障害者の日常生活の近くにある市区町村等における取組を中心に、福祉関係者等との連携などにより、合理的配慮等を考慮した学びの機会の充実を図る。 1.障害者の学びの場における情報保障についての実態調査【9百万円(新規)】 近年、読書バリアフリー法(R1)や情報コミュニケーション法(R4)の施行など情報保障への関心が高まる中で、障害者等が学びの機会から除外されることのないよう実態把握が必要。 ◆読書バリアフリー法基本計画の着実な実施のため、全国的な実態調査により、各取組の進捗状況を把握する。 (コンソーシアム会議の様子) 2.生涯を通じた共生社会の実現に関する調査研究【3百万円(3百万円)】 施策の着実な推進のため、障害者が学習活動に参加する際の阻害要因・促進要因について、障害当事者はもとより、実施主体として期待される自治体や社会教育施設、高等教育機関等に対する定期的な調査が必要。 (事例集の発行) 3.地域における持続可能な学びの支援に関する実践研究【112百万円(108百万円)】 都道府県レベルのネットワーク構築や、地域レベルの学習機会の拡充、民間団体や大学等による新たな学びの場の創出等を推進し、継続的な障害者の生涯学習の機会の確保を推進する。 ◆障害者差別解消法の施行を踏まえた合理的配慮(障害特性に配慮した学習プログラムの柔軟な変更や利用可能な教材の準備など)提供モデルの構築を進める。(新規) (合理的配慮の具体例)  例1:車いす利用者だけどダンスを学びたい!→上半身だけで表現できるダンスにアレンジし提供  例2:弱視のため一般的な文字サイズの資料が読めない→文字を拡大した資料を作成・提供 4.普及・啓発活動の強化【24百万円(24百万円)】 障害者の生涯学習の充実には関係者を増やすことが重要。生涯学習の担い手の育成や学習環境の質的・量的な充実を図るため、関係者が集うコンファレンスや、障害者参加型のフォーラム等の普及啓発活動を積極的に実施。 (障害者参加型フォーラム) アウトプット(活動目標) @実践研究事業による都道府県(指定都市)等の主体的な連携体制の構築 A多様な生涯学習プログラムのモデル開発・実施 B普及・啓発事業の実施による成果の共有 中期アウトカム @自治体の障害者計画に位置付けられるなど、障害者の生涯学習への関心が高まる。障害への理解が深まる。 A障害者のニーズに対応した多様な生涯学習プログラムが増加。 B障害者の生涯学習の担い手人材が増加。 長期アウトカム 学校卒業後の障害者の身近に生涯学習の機会(学習・スポーツ・文化等の活動機会)が充実し、障害の有無に関わらず、共に学び生きる、共生社会が実現する。 令和9年度に「障害者本人等が身近に生涯学習の機会がある」と回答する割合を50%へ増加(平成30年度は34.3%) 担当:総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課 スライド20 読書バリアフリーコンソーシアム事業について 〜文部科学省予算事業「図書館における障害者利用の促進」〜 目的:組織の枠を超えた関係者間の連携体制を構築 ⇒読書バリアフリー基本計画の施策を効率的かつ効果的に推進 内容:地域等において、公立図書館、学校図書館、大学図書館、点字図書館等の様々な館種の図書館や関係行政組織・団体等が連携した「読書バリアフリーコンソーシアム」を設置 ⇒物的・人的資源の共有をはじめとした様々な読書バリアフリーな取組の実施 【委託先一覧】 〇東京大学先端科学技術研究センター(R3年度・R4年度・R5年度・R6年度) 学校図書館等におけるアクセシブルな書籍等の共有を目指した読書バリアフリーコンソーシアムの構築 ・これまで行ってきた読書バリアフリーに関する事例の情報収集・分析結果をもとに、 好事例の立ち上げや継続方法のモデル化を図る。 ・シンポジウムの開催やウェブサイトの運営により、好事例やアクセシブルな資料の作成・共有方法の周知を図る。 〇国立大学法人 筑波技術大学(R5年度・R6年度) テクノロジーを活用した障害者の読書支援に焦点を当て、読書バリアフリーを促進するための取組を実施 ・障害者の読書とテクノロジーに関する情報収集・情報発信を行うウェブサイトの構築 ・ICTを活用した読書支援の際に必要となる機器に関する論点整理 〇高知県教育委員会(R6年度) ・高知県読書バリアフリー計画の策定や市町村向けの説明会を実施し、県内の読書バリアフリーの推進を図る。 ↓詳しくはこちら! スライド21 ご清聴ありがとうございました ◎図書館に関する法令、取組や様々な事例等を掲載しています 図書館の振興 検索 以上