AccessReading

音声教材の種類を知ろう

自分に合った音声教材をえらぼう!

音声教材の種類

2022年2月現在、6団体が音声教材の製作・提供を行っています。


①マルチメディアデイジー教科書

②AccessReading

③音声教材BEAM

④ペンでタッチすると読める音声付教科書

⑤UD-Book(文字・画像付き音声教材)

⑥UNLOCK


提供している団体により、音声教材を使用するために必要となる機器、ソフト、アプリが異なります。

児童生徒の読みのニーズや、お手持ちの機器にあわせて利用を検討しましょう。

このページでは、各音声教材を色々な視点から比較してみました。詳細は下記ご覧ください。

①対応学年

②対応教科

③対応機器

④提供している音声教材のファイル形式

⑤活用できる主な機能


①対応学年

通常学級、通級指導学級、特別支援学級、特別支援学校でも、在籍する学級に関わらず、使用することができます。

音声教材は、その種類によって、高校向けの教科書が提供されていないか、非常に少ない場合があります。以下の表に状況(2022年2月現在)をまとめました。


表1.音声教材の種類と対応する校種

音声教材の種類/校種 小学校 中学校 高校 特別支援学校
マルチメディア
デイジー教科書
×
AccessReading
音声教材BEAM ×
令和4年度より対応予定
×
ペンでタッチすると読める
音声付教科書
× ×
UD-Book
(文字・画像付き音声教材)
UNLOCK


校種ごとの書目数の比較

音声教材の種類によって、多くの書目が作られている校種と、そうでない校種があります。

参考に、提供されている音声教材の書目(教科書の種類)の数を比較してみました。


表2.音声教材の種類と書目数(単位は冊)

音声教材の種類/書目数 小学校 中学校 高校 参照時期
マルチメディア
デイジー教科書
268 140 提供なし 令和2年度末
AccessReading 88 131 224 令和2年度末
音声教材BEAM 58 35 提供なし 令和2年度末
ペンでタッチすると読める
音声付教科書
20 8 提供なし 令和2年度末
UD-Book
(文字・画像付き音声教材)
248 98 25 令和2年度末
UNLOCK 57 21 0 令和2年度末

音声教材を選ぶポイント

近藤武夫(東大先端研/AccessReadingディレクター)


音声教材は種類も多く、ソフトの組み合わせも様々なので、児童生徒ごとに、どの音声教材を選ぶべきかは、とても悩ましい点ですね。一番望ましいのは、児童生徒と一緒に、いろいろな種類の音声教材を実際に使って試してみて、自分の学習スタイルに合っているかどうかを試行錯誤することです。しかし、各団体に音声教材の申し込みをすることには、ある程度の手間がかかるので、ちゅうちょする人も多いと思います。


音声教材サンプルを活用する

自治体によっては、教育委員会に、文科省が配布した音声教材のサンプルを、タブレットなどにインストールしたものを用意していて、教員や児童生徒が使ってみて試すことができるようにしているところもあります。また、教科書の内容そのものではありませんが、このウェブサイトには、各団体が作っている音声教材のサンプルをダウンロードできるようにしているので、保護者の方や教員の方が、児童生徒と一緒に使って試してみてください。ある程度使い込んでみないと、それぞれの音声教材が自分に合っているかどうかを見極めるのは難しいところがあります。


そこで、学齢ごとに適した音声教材の使い分けについて、私の考え方を書いてみます。


小学校低学年や導入には「ペンでタッチすると読める音声付教科書

まず、小学校低学年などで、タブレットの使い方にもまだ慣れていない児童の場合は、「ペンでタッチすると読める音声付教科書」を試すと良いでしょう。見た目も紙の教科書と差がないので、タブレットを使って教科書を読むことに抵抗のある児童でも試しやすいものになっています。読みたい場所をペンで触れば読み上げてくれるので、「耳で聞いて理解する」ことの入り口に適しています。


タブレットやパソコン操作に慣れてきたら「マルチメディアデイジー教科書

次に、タブレットの使い方にも慣れてきた児童生徒であれば、「マルチメディアデイジー教科書(デイジー教科書、以後略します)」を使うと良いでしょう。文字の大きさや文字色、背景色、フォントの種類、音声の速度も調整できますし、読み上げている箇所をハイライト表示させることもできます。いずれも紙の印刷物にはない機能で、自分に合った読み方を探していくことができます。また、デイジー教科書の大きな特徴は、「人間の肉声や、コンピューター音声によって、あらかじめ読み間違えがないように作った音声データ(朗読音声)が入っていること」です。熟語や算数の数式も、読み間違えなく音声で聞くことができます。非常に丁寧に作り込まれていて、画面の文字や挿絵の配列・見た目も、レイアウトがとても複雑に配置されている紙の教科書と違い、とてもシンプルに変更されています。紙の教科書の見た目の複雑さに困っている児童生徒にとっては、読みやすく感じられるでしょう。

デイジー教科書を表示・再生することのできるソフトは、iOSにもWindowsにもAndroidにもあります。それぞれ使い勝手が異なるので、どれを使うかは悩ましいところです。ただ、選べることはとても意味があることなので、コンピューターに詳しい人と一緒に、試せる範囲で備わっている機能を試してください。学校が用意しているタブレットであれば、ソフトのインストールが制限されているので、学校や教育委員会の情報担当者と一緒に、ソフトのインストールをあらかじめ準備しておく必要があります。

デイジー教科書は、小学校から中学校までの検定教科書の書目をほとんど製作しているので、小学校から中学校では、まずこれを使っておくことが第一選択肢になると思います。


視覚障害など「大きく見たい」ニーズに応える「e-pat」から、新しいUD-Bookへ!


※2022年3月より、e-PatからUD-Bookの提供が始まっております。UD-Bookに関するコラムは今後更新いたします!以降はe-Patの内容になります。


弱視の生徒などで、音声で耳で聞いて読むことよりも、教科書の見た目を大きく拡大して読みたい、というニーズの方が大きい場合には、e-Patが良いでしょう。e-Padは、iPad上で動作する「UDブラウザ」上だけで閲覧できるという制限はありますが、大きな特徴は、画面上に教科書と全く同じ見た目の画面が表示されて、それを非常に高い拡大率で表示できるところです。他にも、教科書内の文字部分だけを表示させる機能もあり、表示された文字を、iOSの音声読み上げ機能(コンピューターが文字を音声にリアルタイム変換する機能)を使い、読み上げさせることもできます。それに、UDブラウザは、視覚に障害があっても、画面をタッチして操作しやすく工夫されているところも特徴です。スキャンしたPDFをUDブラウザに読み込ませて読むなどもできるので、まず、使ってみて損はないというか、ぜひ試しておくべきアプリだと思います。


音声のみで手軽に利用できる「BEAM」「UNLOCK

音声ファイルだけを、音声教材として提供している団体もあります。BEAMやUNLOCKがそうです。安価なICレコーダーで耳で聞いて読むことができたり、電子辞書の音楽ファイル再生機能で聞くことができたりと(対応機種については各団体にお問い合わせください)、タブレットを使うことが難しい環境(本人が目立ちたくないなど、タブレット等を使用することを心理的に避けている場合なども含む)などでは、他の音声教材よりかなり利用が手軽なことから役立ちそうですね。ただ、これらは音声のみの教材なので、ぜひ、デイジー教科書など、他の音声教材もあわせて試していただきたいと思います。


中高生にオススメ。教科書以外にも学習の幅が広がる「AccessReading

AccessReadingが作っているEPUBやDOCX形式の音声教材は、よくある一般的なデータ形式なので、それらのデータ形式の読み込みと表示に対応しているソフトならば、なんでも表示させることができます。また、AccessReadingでは、基本的には、特別な専用ソフトウェアは用意していないので、WindowsやiOSなどの、OS標準のアクセシビリティ機能(拡大や反転表示、音声読み上げ機能など)を使って読むことを想定しています。また朗読音声は含まれていないので、たびたび熟語などを読み間違えます(自分で読み間違いが起こらないように工夫する技はあるので、それを覚える必要があります)。ですので、利用ケースによりますが、小学校低学年で使うことはあまりお勧めしません。実際、余程の理由がない限りは、小学校は高学年の教科書からしか作っていないです。

一方で、他の音声教材にない特徴もあります。他の団体では書目数の少ない高校の教科書を多数製作していたり、朗読音声のデータを含まないので、データのサイズが比較的小さかったり、Microsoft Wordで開くことのできるDOCX形式のデータを作っていたりといった点がそうです。それに、音声教材が用意されていない一般書籍や副教材、教員が作ったプリント資料、試験問題やドリル、ウェブサイトの文字は、通常、アクセシビリティ機能を使って読むことが一般的です。その時、読み間違いがないように工夫した朗読音声を大学や教員が作ってくれることはまずなく、印刷物の文字をテキストデータに変換したものが提供されるケースがほとんどです。つまり、音声教材以外では、アクセシビリティ機能を使って読むことが基本になっています。そこで、教科書以外の読み物に触れる機会を増やしたり、高校以上の教科書を使って勉強していく場合には、音声読み上げ機能をはじめとしたアクセシビリティ機能をうまく使いながら学ぶスタイルを身につけておくことが必要です。そうしたスタイルを身につけた生徒にとっては、とても便利な音声教材だと思います。


中学生くらいから(タブレットなどを使うことが得意な児童生徒であれば、ケースによっては小学校高学年から)は、他の音声教材に加えて、AccessReadingの音声教材を使い慣れておくことをお勧めします。そうすることで、児童生徒は、誰かが用意してくれた書籍や教科書だけを読むのではなくて、自分が読みたい、知りたいと思った書籍や情報に触れられるチャンスが広がります。AccessReadingの音声教材を使わないとしても、音声読み上げなどのアクセシビリティ機能を使った学び方を早期から身につけてほしいと願っています。

②対応教科

音声教材は、検定教科書を取り扱っています。

「△」は、一部の出版社のみ対応している等のケースです。詳細は各団体にお問い合わせください。

高校に対応している音声教材の場合、農業、商業、工業、水産などの専門科目も、検定教科書であれば対応しています。


表3.音声教材の種類と対応科目

音声教材の種類/科目 国語 社会 算数
数学
理科 英語 その他
の科目
マルチメディア
デイジー教科書
AccessReading
音声教材BEAM × × ×
ペンでタッチすると読める
音声付教科書
× × × × ×
UD-Book
(文字・画像付き音声教材)
UNLOCK


③音声教材を利用できる機器

音声教材の種類によって、使用できる機器は異なります。

ペンでタッチすると読める音声付教科書は、音声ペンSpeakunを別途購入する必要があります。

UD-Bookは、iPad、Windows、Chromebook、Macのブラウザソフトで利用します。

CASIO電子辞書は、申請時に希望すれば、製作団体より貸与可能です。


表4.音声教材の種類と対応機器

音声教材の種類/OS Windows Android
Chromebook
iPadOS
iOS
MP3
再生機器
音声ペン CASIO
電子辞書
マルチメディア
デイジー教科書
× × ×
AccessReading × × ×
音声教材BEAM
ペンでタッチすると読める
音声付教科書
× × × × ×
UD-Book
(文字・画像付き音声教材)
× × ×
UNLOCK ×


④提供している音声教材のファイル形式

各ファイル形式に対応しているソフトやアプリであれば、閲覧可能です。


表5.音声教材の種類と提供しているファイル形式

音声教材の種類/形式 DAISY形式 EPUB形式 DOCX形式 MP3形式 HTML形式 TEXT形式 Wav形式
マルチメディア
デイジー教科書
× × × × × ×
AccessReading × × × × ×
音声教材BEAM × × × × × ×
ペンでタッチすると読める
音声付教科書
× × × × × ×
UD-Book
(文字・画像付き音声教材)
× × × × × ×
UNLOCK × × × ×


⑤活用できる支援機能

使用機器、使用ソフトやアプリにより、活用できる支援機能は大きく異なります。

各団体の音声教材を利用する際に、代表的なソフトを使った場合を例にとって、活用できる支援機能を表にしました。

音声教材にはたくさんの機能があります。詳細は下記リンク先でご確認ください。


関連リンク:音声教材を使ってみよう(各機能の詳細が紹介されています)。


表6.音声教材の種類と活用できる支援機能

音声教材の種類+代表的なソフト/活用できる支援機能 音声読み上げ 文字や色など
見た目の変更
マーカーやメモ
など書き込み
ルビ表示 辞書機能
マルチメディア
デイジー教科書
+ChattyBooks
×
AccessReading
+Microsoft Word
×
AccessReading
+iPad OS Apple Books
×
音声教材BEAM
+iTunes
× × × ×
ペンでタッチすると読める
音声付教科書+音声ペンSpeakun
×

(書き込み可)
×
UD-Book
(文字・画像付き音声教材+UDブラウザ)
UNLOCK
+CASIO電子辞書

(拡大のみ)
× ×
UNLOCK
+EPUB版
×


最終更新日:2022年4月1日(e-PatからUD-Bookへ仕様変更)

公開日:2022年3月17日