肢体不自由のある児童生徒にとって、言葉はとても大切です。本も大人から渡されることが多くなってしまいがちなので、児童生徒が自分で選び、主体的に読書活動に取り組めるように工夫しています。絵本を活用した授業も、児童生徒の学習だけでなく、教員の普段の授業の質の向上にもつながりました。例えば、読み聞かせも児童生徒に何かさせようとしがちでしたが、教師自身の読み聞かせスキルが向上することにより、児童生徒が静かに物語に聞き入り、感じたことを表現する学びにつながっていきました。
肢体不自由のある児童生徒が車いすでも図書館を利用しやすくなるように環境整備をしています。図書館は常に開放し、車いすに乗った状態の目線に合わせて棚は低めにしています。また、本棚の下にスペースを作ることで、車いすのまま本棚に近づけるようになっています。
図書館は常に開放しており、図書の貸出はバーコードで簡単に行えます。移動図書館という、教室までワゴンで図書をお届けする取り組みや、在宅の児童生徒へリモート授業中で図書の読み聞かせや、教員が訪問時に持参する活動も行っています。
読書活動推進のため、さまざまなイベントを図書チームの教員が中心となって行っています。ライブラリー活用のため、4月に児童生徒向けに図書館利用ガイダンスを開催しています。
民間団体や都立多摩図書館司書による読み聞かせ会だけでなく、児童・生徒や教員によるおはなし会も開催しています。教員による絵本の読み聞かせは、指導スキルの向上にもつながっていると感じています。
ライブラリー運営には児童生徒も参加し、返却作業や新聞の入れ替え作業など、蔵書管理を担当してもらっています。
授業でよく絵本を使用しています。図書館での貸し出し冊数も、算数の時間のグラフ作成資料として活用しています。ドローン操作を授業で行っているため、プログラミングに関する図書専用棚も図書館にあり、授業でも役立っています。
司書教諭が中心となって、POPコンテストや読書月間の企画の他、絵本の選書や絵本の特徴と内容、学習課題の分類についてまとめた冊子である「えほんの羅針盤」を毎年年度末に発行し、校内で共有しています。絵本を活用した指導事例や障害の重い児童に対する読み聞かせにおけるポイントなど掲載しており、校内全体で役立っています。「校長おすすめの本」も発行しています!