星つむぎの村は、「星を介して人と人をつなぎ、ともに幸せを作ろう」をミッションに、プラネタリウム、星空観望会、星や宇宙に関するワークショップなどを展開している団体です。星空は誰の上にも平等にあり、共有の風景であり、私たちの大きなふるさとである宇宙への窓です。宇宙と私たちのつながりを知ることは、一人ひとりが生きていく大きなエネルギーになると感じています。だからこそ、「すべての人に星空を」という想いのもと、活動しています。会員は全国に200名ほどいて、一緒に活動する仲間(村人)として集まり、さまざまな取り組みを行っています。新型コロナの影響で、それまで外出困難だった子どもたちはさらに制限がかかり、学校にいっている子どもたちも学びや遊びの保障がされない状況になったとき、「星の寺子屋」というオンラインの集い場をつくりました。オンラインなので、病院にいる子どもも参加でき、子ども同士でのつながりもできました。また、プラネタリウムも非接触でできる「フライングプラネタリウム」というスタイルで、全国の病院、施設、学校、自宅に届けています。星と医療と福祉がつながる活動は他にあまり例がなく、さまざまな課題にも出会います。そんな時は、色々な村人ひとりひとりが力を発揮しながら、課題に取り組んでいます。
活動の一環として、病院や自宅にいる子どもたちにZoomを活用した「お話しタイム」という読み聞かせやわらべ歌、語りの活動を水曜日、土曜日、日曜日(それぞれ隔週)に行っています。病院で寝たきりの子も、学校に通っている子も参加しています。
読み手は地域や病院で読み聞かせをするボランティアの方や病棟保育士、学校図書館司書等さまざまな現場の方に参加いただいています。視覚をあまり使わずに耳だけで聞いてもらったり、逆に、視覚で楽しんだり、なるべく子どもの状況にあわせながら、おこなっています。絵に頼らず語りで届くこともあります。
読書は想像を膨らませることが大事なので、年齢に応じて飽きさせないよう、語りの工夫も行っています。
「本の森だより」という、おすすめの本を出しあい、偶数月の1日に発行し、病室などにお届けをしています。「本の森だより」は、なるべく病院や施設のスタッフに負荷をかけないように貼ってもらうだけのものですが、ふと思った時にこんな本読んでみたいなと思ってもらえるよう、機会提供として取り組んでいます。読み聞かせボランティアの方や保育士、特別支援教育の教員など、さまざまな立場の方が関わりながら、今治療に向かう子どもたち、家族と離れている子どもたち、反応が読み取りにくい子どもたちに向けて、選書に取り組んでいます。
目が見えない子にも星空を感じてもらえるよう、ユニバーサルデザイン絵本を作りました。挿絵と文の他、点字と触図で作られています。プラネタリウムで一番盛り上がるのは、街の明かりが消えて、満天の星空があらわれるところです。視覚障害のあるお子さんにも、その感動を伝えたい想いで、この絵本をつくりました。
いろいろな図を点字であらわす点図をつくっている方がいて、夜8時の星空を3等星まで見える図、6等星まで見える図をつくってもらいました。3等星までの点図に触ったあと、6等星までの点図に触ることで、「こんなに星が増えるんだね!」と共有することができました。ユニバーサル絵本「ねえ おそらのあれ なあに?」は、星つむぎの村のウェブサイトや、Amazonなどでも購入できます。